知ればもっと使いたくなり奥深い、日本のスパイスの歴史

日本のスパイスの歴史は「薬味」から始まった

料理に豊かな香りや風味をもたらしてくれる、スパイス。今や食卓に欠かせない存在となっていますが、日本人が現在のようにさまざまなスパイスを使うようになったのはつい最近のこと。元々、海外の食文化のひとつであったスパイスは日本にどのように入り、広がっていったのでしょうか。知ればスパイスとの付き合い方がさらに深まる!日本における、スパイスの歴史についてお話します。

料理に豊かな香りや風味をもたらしてくれる、スパイス。今や食卓に欠かせない存在となっていますが、日本人が現在のようにさまざまなスパイスを使うようになったのはつい最近のこと。元々、海外の食文化のひとつであったスパイスは日本にどのように入り、広がっていったのでしょうか。知ればスパイスとの付き合い方がさらに深まる!日本における、スパイスの歴史についてお話します。

その後、中国との交易やヨーロッパ人の来航などによりスパイスが次々と渡来しましたが、日本ではあまり発展しませんでした。その理由は、日本人の食文化にあります。当時の日本は米・魚・野菜を中心とした食事。元々、コショウなどのスパイスは肉の臭みを消したり香り付けをしたりして、保存するために使われるものだったため、日本ではその必要性が薄かったことが大きな理由とされています。

その代わり、江戸時代には鎖国や商人文化によって日本独自の食文化が開花。寿司が誕生し、わさびを使ったり、現在の薬味のような使われ方で和のスパイスが定着しました。大航海時代にコロンブスがアメリカ大陸を発見し、持ち帰ったとされる唐辛子も定着。ブレンドスパイスの走りと思われる七味唐辛子はそばやうどんのアクセントととして流行したそうです。

「カレー=スパイス」カレーライスによって広がったスパイス

スパイスを使った料理が少しずつ普及し始めたのは、明治時代以降。文明開化とともに外国の料理が日本に入ってくるようになり、肉食も再開されて食文化が多様になっていたことが背景にあります。

なかでも、スパイスの普及に一役買ったと言われているのが、「カレー」です。明治時代にイギリスから洋食文化が広がる中で、洋食としてカレーが一躍人気メニューに。米食文化であった日本において、カレーは新しい味である一方で、ごはんにかけて食べることから受け入れやすいスタイルであったと想像できます。

その後、明治36年には国産のカレー粉が発売され、それらには、カレーの基本の4スパイスである「ターメリック」「クミン」「チリパウダー」「コリアンダー」を始めとするさまざまなスパイスが配合されており、家庭でも手軽にカレーライスを作ることができるようになりました。こうしてスパイスは、カレー粉・カレールウという形で日本の食卓に定着していったのです。

ついにブーム到来! スパイス料理が一般化した2000年代

カレーによって日本に広がっていった「スパイス」ですが、現在のように瓶や袋詰めになったものが身近に買える存在になったのは1970年代以降。高度経済成長期あたりに一部の百貨店やスーパーに徐々にスパイスの棚が置かれるようになり、少しずつ家庭料理に使う人が増えていったそうです。

それでもまだまだメジャーとは言い難かった、スパイスの存在。現在のようにスパイス料理が一般化し、スパイスブームの火付け役となったのは、またしてもカレーでした。2000年代に入り、「スパイスカレー」と呼ばれる個性的なカレーが人気になったことが一つのきっかけとなり浸透。ルウを入れるだけで味が決まるカレーとは違い、さまざまなスパイスを調合してつくるスパイスカレーの台頭によってその存在が広く知れ渡り、小売店にもスパイスの棚が増えるなど、家庭料理に幅広いがスパイスが用いられるようになりました。