良いクミンの条件は?アジア最大のクミンマーケットにて
アジア最大のクミンシードのマーケットがある、グジャラート州ウンジャ。
2月〜3月の収穫のピークを終えて、今最盛期を迎えています。
スパイスの生産・消費・輸出の全てで世界一を誇るインドの中でも、クミンが生産されているのはラジャスタン州と、グジャラート州のみ。クミンは、砂漠にも近い乾燥した気候が大好きなのです。
ウンジャの街は小さいながらも、東西南北に走る幹線道路沿いにあり、北は多くのクミンの産地に囲まれたジョドプール、南はグジャラート最大の都市アーメダバードがあり、流通の上でもビジネスの上でも適したロケーション。実は、Spinfoodsのクミンも、このウンジャを経由して日本に届けられています。巨大なスパイスマーケットに、トラックに山積みにされたスパイスが次々と運び込まれてくる様子は圧巻です。
さらにこの時期になると、海外から買い付けにくるスパイス商人が一段と増えます。中でも最も良いグレードのクミンは、日本にもたくさん輸出されているのです。
そんな「良いクミンの条件」とは…?
そこで今回、ウンジャに巨大なクミンの加工工場を持つ、ディーラーのミテッシュさんにお話を伺いました。ミティッシュさんのスパイス事業はファミリービジネスとして40年前に開業し、国内市場に始まり、世界市場へと輸出を拡大していきました。若干28歳にして取締役でもあるサラブレッドです。
<話をしてくれたミティッシュさん>
「まず、クミンには大きく分けて4つのグレードがあります。ここではA>B>C>Dと分類していて、Aがベストクオリティー。例えばこのAグレードのクミンが1kgあたり370ルピーだとしたら、Cグレードのものは350ルピーと価格に差が出ます。実は、このAグレードのクミンの多くは、アメリカや日本が買い付けているんです。」
<そう語りながら手に取って見せてくれたクミン。左がAグレードで、右がCグレード>
「見た目にもはっきり違いがわかるでしょう。僕たちは必ずこうして手にとって、日の光に当て、フィジカルに品質を確かめるんです。良いクミンは、右のように色が黒くなっていない。それからサイズも大きく、軸の部分が残っていない。それから、油分の含有量が適切なもの。もちろん香りと味も確かめます。」
現在ミテッシュさんは、信頼しているいくつかの農家からクミンを買い付けていて、それらはほぼ全てラジャスタンにあるのだとか。お願いして特別に、農家に視察に行った時の写真を見せていただきました。乾季に約120日間かけて育てられるクミンは、青々とした時期に実を膨らませ、成熟して乾燥した後に、収穫を迎えます。
<クミンシード畑>
「今年は過去最高にまでクミンの価格が高騰していて、その理由は季節外れの雨。雨に晒されると、こんな風に色が黒ずんでダメになってしまうんです。」
と、写真を指差して説明してくれました。緑色で身がしっかり膨らんでいるものは、良い状態で残っているもので、黒く枯れたものが、雨によりダメージを受けたものです。
そんな状況でも、無事収穫を終えて良いグレードに選別されたクミンだけが、日本に届けられると思うと、とてもありがたく感慨深いです。ぜひお店で食卓で、楽しんで味わってください。
ライター樋口実沙 2023.04.06